雨の御堂筋

swaragaのMySpaceに、Voの玲子さんが参加しているフランスのユニット、
"Paris. photographic. store"のSamuel氏が、
アップしたswaragaの新曲に対してコメントを寄せてくれていて、
自分では表面的には意識していなかった深部を突かれたような一文で、
非常に鋭いな…と。
僕はSamuel氏とは知己はないのだけれど、
彼のMySpaceを見るとアジア圏のポップスや映画音楽、
そして70年代の日本の歌謡曲にも造詣が深いみたい。


で、Samuel氏のコメントは、彼流日本語で書かれ、
その真意は想像も含んでしまうのだけれど、
どうやら、欧陽菲菲の「雨の御堂筋」を想起した様子。

ご覧の通り、演奏しているザ・ベンチャーズが作曲で、
台湾出身の欧陽菲菲が歌い、詞の舞台は大阪という
徹底したエキゾティシズム。


僕は世代的にベンチャーズを中心とするエレキブームは
蚊帳の外だったけれど、
後追いで知った、映画「パルプ・フィクション」でお馴染みの「ミザルー」の
ディック・デイルや、サーフ、ガレージの諸バンド、
エレキ・インストと相互にインスパイアしあっていたであろうと思われる
エンニオ・モリコーネ
そしてそれらの影響を反映した60年代末〜70年代初期の
日本の映画・TV番組のテーマ曲なんかは
わりと血肉になっている。


それらのカオティックなまでに無国籍な旋律は、
マーク・リボーが言うところの
“Rootless cosmopolitan”な感覚を養ってくれたと思う。
元はベンチャーズが使用してサーフ・ロック用ギターの代表となり、
70年代にはB級モデルとされていたジャズマスターを手にしたのも、
そんなえにしがあったのかもとも思ったり。
ジャズマスターを弾いてると、
どうしても、ちょっと油断するとサーフ風味が出てしまうしね。


さて、では最後に、ジャズマスターの特性を活かしきった
“King of Fuz”デイビー・アレンの演奏をお楽しみください。
彼はモズライト・ジョー・メフィス・ダブル・ネックの印象が強いけど、
やはり僕にとってはJMの大師匠。
たった8小節のメロディでブッ飛ばされます。